日本学術振興会研究拠点形成事業

Core to Core プログラム

UGLIP

UGLIPの概要・取組

Project & Effort

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糖鎖生命原理を解明するための統合的世界研究拠点の構築

Establishment of Global Research Institute for Uncovering Glycan Organized Life Principle (UGLIP)

本研究交流では、生命現象の理解、医療の発展に不可欠な糖鎖研究の国際研究拠点の構築を目的としています。

糖鎖は全ての細胞表面を覆い、老化、がん、神経疾患、自己免疫疾患、病原体の感染などに密接に関わっています。また、疾患だけでなく数多くの生命現象に深く関わっており、核酸やタンパク質を中心としたこれまでの研究だけでは捉えきれなかった仕組み解明の鍵を握る分子として注目されています。

岐阜大学と名古屋大学は、それぞれ「糖鎖化学・イメージング」、「糖鎖生物学・医学」において卓越した成果を発信し(岐阜大 安藤 Science 2019, 鈴木 Nat. Chem. Biol. 2016, 木塚 Nat. Commun. 2018;名古屋大 門松 Nat. Chem. Biol. 2018、北島 Nat. Commun. 2018)、世界を牽引してきました。また、これまで 10 年以上にわたって「若手の力フォーラム」と名付けた糖鎖研究の教育プラットフォームを築いてきました。2つの大学は 2020 年より経営統合して東海国立大学機構の運営下となり、その目玉として共同設置研究所「糖鎖生命コア研究所」を設立し、両大学の糖鎖研究者が集合して先駆的な糖鎖研究を始動しました。

本研究交流では、糖鎖生命コア研究所が中心となり、「ウィルス・細菌感染」「神経再生」「糖鎖代謝異常」などを標的として、世界の先端糖鎖研究拠点と共同で研究を展開します。糖鎖生命コアの基盤技術をベースに、各拠点機関が世界に冠たる、糖鎖の網羅解析・構造生物学(リール大学・仏)、有機合成・プローブ開発(アルバータ大学・加、アカデミアシニカ・台)、論理的糖鎖創薬(グリフィス大学・豪)を加成融合し、糖鎖の支配する生命原理(糖鎖生命原理)の統合的解明と応用を推進します。この連携は、これまでの相手国拠点機関との長年の交流実績(国際共同研究、学生、ポスドクの相互受け入れ、国際シンポジウム・セミナーでの招聘)に基づくものであり、加えて、岐阜大学は相手国拠点機関と大学間協定を締結し、研究・教育レベルでの交流を充実化しています。さらに、本拠点に参加する糖鎖生命コア研究所の研究者は、卓越大学院 「情報・生命医科学コンボリューション on グローカルアライアンス卓越大学院」においても連携し、先端的な特色ある生命科学教育に取り組んでいます。

本プロジェクトでは、以上の交流、教育基盤を活用し、大学院生からポスドク、 若手教員に至るまで多くの若手糖鎖研究者の育成を推進して、次世代層の重厚化と精鋭化を推進します。さらに、国際的な共同研究、セミナー、インターンシップの実施により、異分野融合研究をグローバルに実行できる知識と技術の体得、国際舞台でのプレゼンテーション能力、ディスカッション能力を習得、PI としての研究室運営能力の醸成、国際学術論文執筆能力の向上などを図ります。

概要・構成機関

Overview & Organization

世界糖鎖統合研究拠点の構築

UGLIPの取組

Effort

共同研究を実質化し先端成果を生む為のセミナーと研究者交流を実施します。
共同研究や人材交流を通して、強固なネットワークを構築し、新たな若手研究者をリーダーとしたプロジェクトチームを立ち上げます。これらの新規共同研究に加えて、各研究者レベル間で進行している共同研究を拡張した分野横断的研究を実施します。具体的な研究課題の例を以下に示します。

  • 糖鎖合成プラットフォームの確立(日本、カナダ、台湾)
  • ウィルス・細菌感染メカニズムの解明と感染防御分子の開発(日本、カナダ、オーストラリア、フランス)
  • 軸索再生制御機構「多層的糖鎖スイッチ」の実証(日本、台湾、フランス)
  • 糖鎖代謝病の分子機序解明、診断法・治療法開発(日本、フランス、カナダ)