ABOUT iGCORE

この研究所について

研究所の概要

目的

生命を知る:全ての細胞は糖鎖で覆われている

糖鎖は我々の全ての細胞の表面を覆っています。そして、個々の細胞の個性を決め、細胞と外界(他の細胞や病原体など)とのコミュニケーションを制御しています。このことから、糖鎖は特に、免疫や神経の機能、老化、また感染症、がん化、認知症など、多くの生命現象や疾患に密接に関わっています。さらに、タミフル等の糖鎖を標的とした医薬品が有効であることや、最近ではがん治療などに用いられる抗体医薬の効果が糖鎖を変えることによって100倍程度に高まるなど、糖鎖研究が医療へ応用できることがわかってきています。

糖鎖が様々な生命現象や疾患に関わることがわかってきた一方で、現状では糖鎖の研究は世界的に見てもまだ十分には進んでいません。つまり、生命というものを理解し、その知見を応用して医療に活かすためには、糖鎖の研究を進めて生命の本質(コア)をより深く理解する必要があります。

糖鎖研究によって生命を真に理解し、
医療を向上

糖鎖の理解が十分でない大きな原因は、以下の3つが挙げられます。
(1)糖鎖が核酸(DNA, RNA)、タンパク質を超える複雑さと多様性を持っているため、糖鎖の合成・分析・生物学を行うためには高度な専門性が必要なこと、(2)糖鎖に関する個別の知見を統合して全体を理解するための統合的研究所がないこと、(3)ゲノミクス(核酸)、プロテオミクス(タンパク質)と並ぶビッグデータとしてのグライコミクス(糖鎖)情報を取得し、解析する試みがなされていないこと、です。

本研究所「糖鎖生命コア研究所(iGCORE)」は、化学・生化学・医学・イメージングなど様々な分野の研究者が集合したトップレベルの統合的糖鎖研究所です。本研究所により、個々の糖鎖の理解はもとより、糖鎖の集合体が持つ機能・性質の解明が飛躍的に発展することが期待できます。これらの統合的な糖鎖研究を進めることによって、核酸、タンパク質研究だけでは成し得なかった、真の生命原理(生命コア)の理解とその応用を目指します。

研究

世界屈指の分野融合型糖鎖研究を推進します

世界屈指の融合型糖鎖研究により、1分子・細胞・個体レベルで糖鎖の機能・性質・疾患との関連性などを理解し、それを応用して革新的な医療の開発を目指します。

具体的には、個々の糖鎖を合成する、個々の糖鎖の動きを見る、細胞において糖鎖の集合体が作られる仕組みを知る、個体の老化や疾患において個々の糖鎖および集合体の発現変化や果たす役割を知る、またそれを検出・制御する術を開発する、ことなどが含まれます。詳しくは研究内容をご覧ください。

組織

糖鎖の化学・イメージングの岐阜大学と、
糖鎖の医学・生物学の名古屋大学がタッグ

これまで日本は世界の糖鎖研究をリードしてきており、糖鎖の合成・分析・生物学の分野において突出した研究者が多く存在しています。中でも、岐阜大学の糖鎖合成・糖鎖イメージング、名古屋大学の糖鎖生物・糖鎖医学の研究は高い実績と伝統があります。
さらに、名古屋大学では新学術領域研究「神経糖鎖生物学」(門松健治教授が代表)や糖鎖科学中部所の本拠地として、糖鎖研究の推進と若手糖鎖研究者の育成を行ってきました。また岐阜大学は、京都大学の世界トップレベル国際研究拠点(WPI)であるiCeMsのサテライトとして糖鎖合成研究を推進し、それを発展させて設立した生命の鎖統合研究センター(G-CHAIN)において糖鎖合成・イメージングに関してこれまで多くの実績を残してきました。

本研究所では、このような糖鎖研究の豊かな土壌で実績を出してきた岐阜大学と名古屋大学の糖鎖研究者と、両大学の高い技術を有した周辺分野の研究者が集結します。さらに、糖鎖分析、ビッグデータ、数理モデルなどの分野との融合を強化していくことによって、より統合的で学際的な糖鎖研究所を目指します。

国際性

世界の糖鎖研究拠点と交流し
国際性の高い若手を育成

iGCOREでは、世界の糖鎖研究拠点と連携して、研究交流、人材交流を行い、世界的な視点で糖鎖研究を推進します。
本研究所は、日本学術振興会が実施する研究拠点形成事業(通称Core-to-Core Program)において採択された課題(代表:安藤弘宗教授)の中核拠点になっています。
具体的には、カナダのアルバータ大学、台湾のアカデミアシニカ研究所、フランスのリール大学、オーストラリアのグリフィス大学の糖鎖研究者らとともに、人的交流と研究交流を行います。これらの海外機関は、糖鎖研究のさまざまな分野で活躍するトップ研究者が多いため、この国際交流によってiGCOREのさらなる糖鎖研究の進展と国際力の高い若手研究者の育成が期待できます。

世界糖鎖統合研究拠点の構築

人材育成

海外の糖鎖研究者らとの積極的な交流を通じ
次世代の糖鎖研究リーダーの育成を目指す

iGCOREでは、上述したように、海外の糖鎖研究者らとの積極的な交流を通じて、国際的な視野と研究能力を備えた次世代の糖鎖研究リーダーの育成を目指しています。
また、本研究所の研究室主宰者は岐阜大学あるいは名古屋大学の部局にも所属しています。彼らは化学・生物・医学・分析・物理などの幅広い学術分野を専門とするトップレベルの研究者であり、iGCOREは研究室間の交流を通じ、分野横断的なつながりのある高度な専門教育の場となります。さらに、iGCOREの研究室主催者の多くは名古屋大学卓越大学院プログラム(情報・生命医科学コンボリューションonグローカルアライアンス卓越大学院、通称CIBoG)の担当教員も兼ねており、情報学と医学の融合を目指した大学院教育にも参加しています。iGCOREでの研究に参加したい学生・研究者の方は、各研究室主宰者の研究室ホームページやCIBoGホームページなどもご覧ください。

糖鎖生命コア研究所への
電話でのお問い合わせはこちら

052-789-5365

( 受付時間:平日 9:00-17:00 )

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iGCORE パンフレット

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