RESEARCH CONTENTS
研究内容
数理解析部門
目的・内容
膨大なデータから糖鎖情報を読み解く
数理解析部門の目的は、糖鎖オミクスビッグデータをシステム生物学的視点から統合して超多様な糖鎖複雑性を多面的に解読し、疾患の発症や重症化において鍵となるバイオマーカーや介入標的の予測へと繋げることです。
他部門と協働して、各種モデル生物やヒトを対象とした研究デザインに対し、疾患と相関する糖鎖構造を予測することを目的として、質量分析計によって得られる網羅的な糖鎖構造データ(グライコーム解析、グライコプロテオーム解析)を駆動力とした解析アルゴリズム、可視化ツール、ソフトウェアの開発を行います。
また、未踏の疾患攻略へ向けた創発的な融合研究を生み出すための情報学的プラットフォームとして、ゲノム科学と糖鎖科学の知識を転移・連結させるための新たなインターフェース構築を目指します。
研究例
質量分析によって
細胞の糖鎖の変化を網羅的にとらえる
これまでに細胞の包括的な糖鎖構造情報(グライコーム)を質量分析によって取得する方法を開発してきました。この方法により様々な状況での糖鎖変化をとらえることができます。
最近では、家畜が摂取すると中毒症状を引き起こす植物の物質:スワインソニンによっておこる細胞の糖鎖変化を解析しました
(Morikawa et al., BBA - General Subjects, 2022, 1866, 130168)。
所属研究者
松井 佑介Yusuke Matsui
部門長数理解析部門
- 専門
- 統計科学、情報科学、計算生物学、計算論的神経科学、生命情報学
- 研究内容
- 生命科学では未曾有の勢いで膨大かつ複雑なデータが生み出されており、次世代シークエンサー技術を始め、プロテオームや翻訳後修飾を捉える質量分析技術、さらにはイメージングや生体情報を捉えるセンシング技術など、多様かつヘテロなビッグデータが集積されています。これら大規模ヘテロなビッグデータを如何にして活用し、未知の生命システムにおけるメカニズムを描出していくかは生命科学において重要な課題となっています。私のミッションは、生命科学分野において有用な数理的モデリング手法とデータ解析手法を開発していくことです。
Jennifer J. KohlerJennifer J. Kohler
数理解析部門
- 専門
- chemical biology, fucose, glycolipids, intestinal epithelia, mucus, infectious disease, genetic disorders of glycosylation
- 研究内容
- The complex structures and properties of glycans are critical to their myriad biological functions. However, this complexity leads to technical challenges. To tackle these challenges, our research team has created chemical biology methods aimed at understanding glycan function. In particular, we developed photocrosslinking sugar analogs that can be metabolically incorporated into cellular glycoconjugates and used to covalently capture transient glycan-mediated interactions. Using one of these photocrosslinking sugars, we discovered that cholera toxin recognizes fucosylated glycoconjugates displayed on the surface of human intestinal epithelial cells. In current work, we are continuing to develop and apply chemical biology tools to problems in glycoscience. Additionally, we are probing the mechanisms that regulate production of glycoconjugates that comprise the mucosal layer of the intestinal epithelial. Our studies have relevance to infectious disease, cancer biology, and genetic disorders of glycosylation.
Morten Thaysen-Andersen
数理解析部門
- 専門
- Clinical glycoproteomics, Glycoimmunology, N-glycosylation, Cancer, Sepsis, Innate immunity
- 研究内容
- The Glycoproteomics Lab@iGCORE develops and applies cutting-edge LC-MS/MS-based methods for quantitative and comparative glycoproteomics of human biospecimens to holistically explore elusive roles of protein N-glycosylation in human glycobiology with a particular focus on the innate immune system. The group uses high throughput glycoproteomics methods compatible with large clinical sample cohorts to study how the N-glycoproteome is remodelled with aberrant physiology and with various disorders including cancer, inflammation and infectious diseases.
有田 隆也Takaya Arita
数理解析部門
- 専門
- 人工生命、進化ダイナミクス、メタ認知
- 研究内容
- 「生命の適応プロセス(進化、発生、学習)はどのように生命性を創発しうるか?」,そして「そのプロセス中でどのようにヒトの社会的知能を構成する言語、認知、利他性は進化しうるか?」という2つの問いに答えるロジックを構成的手法で追究する人工生命研究を行っている.
太田 元規Motonori Ota
数理解析部門
- 専門
- 構造バイオインフォマティクス,タンパク質の立体構造,天然変性タンパク質.タンパク質-タンパク質相互作用ネットワーク
- 研究内容
- タンパク質の立体構造に関連するバイオインフォマティクスを中心に,相互作用や構造変化が如何に機能発現につながるのかを研究しています.データ解析のためのアルゴリズム(手法)開発やデータベース構築も行っています.
梶 裕之Hiroyuki Kaji
数理解析部門
- 専門
- Glycoproteomics, glycome, proteome, liquid chromatography, mass spectrometry
- 研究内容
- タンパク質の翻訳後修飾、特に糖鎖修飾について、質量分析法を基盤として網羅的に分析、解析する技術の開発とその応用について研究している。体液、細胞、組織などの生体試料において、どのタンパク質の、どの部位に、どのような糖鎖が付加されており、それらがいかなる時に、どう変化するか、を包括的に観察し、これらの情報を提供することで、生命現象における糖鎖の関わりの解明や、糖鎖を利用した診断補助(バイオマーカー)・治療薬開発などの応用研究に貢献したい。
森 健策
数理解析部門
古川 潤一Jun-ichi Furukawa
数理解析部門
- 専門
- グライコミクス、糖タンパク質、スフィンゴ糖脂質、グリコサミノグリカン、遊離オリゴ糖、SALSA法
- 研究内容
- 細胞表層は様々な糖鎖で覆われており、この糖鎖は細胞の状態や環境の変化に伴い構造や発現量が劇的に変化することが知られているが、糖タンパク質や糖脂質などの複合糖質糖鎖、へパラン硫酸やコンドロイチン硫酸などのグリコサミノグリカン、遊離オリゴ糖など多様なクラスの糖鎖が存在している。これら複合糖質の包括的な糖鎖解析技を開発をし血液、細胞そして組織などの総合グライコミクス研究を行なっている。
Rebeca KawaharaRebeca Kawahara
数理解析部門
- 専門
- Clinical glycoproteomics, multi-omics, data integration, glycosignatures, diseases
- 研究内容
- The focus of my research at the Glycoproteomics Lab@iGCORE consists in developing and applying advanced mass spectrometry-based glycoanalytical methods and multi-omics data integration systems in large cohorts of clinical samples to enable comprehensive and holistic profile of the human glycoproteome and the discovery of new glycosignatures associated with human diseases.
加藤 竜司Ryuji Kato
数理解析部門
- 専門
- 画像解析、細胞形態、細胞接着制御、細胞品質管理
- 研究内容
- 細胞品質管理を目指した細胞画像解析技術や、細胞品質を制御するための培養足場素材の開発を目指しており、このための細胞膜における糖脂質の標識技術や、細胞膜における糖鎖接着ペプチドの探索を行っています。
三浦信明Nobuaki Miura
数理解析部門
- 専門
- バイオインフォマティクス, グライコミクス, メタプロテオミクス, 計算化学, 分子構造理論, インフォマティックコーディネート, DX推進
- 研究内容
- 質量分析スペクトルデータからできる限りの糖鎖構造情報を引き出すことによって, 新しい現象を解き明かす一助になればと思い, 質量分析インフォマティクス分野で研究をしています. 機器が進化すると様々な魑魅魍魎に出会いますが, データに予断を持たずに解析を行う事によって新しい知見を得るサポートをするのが我々インフォマティクスの仕事です, そしてこれがDXの入り口になると思い日夜取り組んでいます.
花松 久寿Hisatoshi Hanamatsu
数理解析部門
- 専門
- 糖鎖解析、質量分析、シアル酸
- 研究内容
- 細胞、組織、体液などに存在する様々なクラスの複合糖質糖鎖を簡便に解析するため、化学的アプローチによるシアル酸結合様式の質量分析による識別法、有用な切断酵素のないO型糖鎖の化学的切断法、グリコサミノグリカン二糖の新しい分離法など新しいサブグライコームの解析技術の開発にも取り組み、糖鎖の多様な機能解明に取り組んでいる。
郷 詩織Shiori Go
数理解析部門
- 専門
- 糖脂質、Glycoproteomics、細胞内輸送
- 研究内容
- 細胞膜構成成分の一種であるスフィンゴ糖脂質と神経変性疾患発症のメカニズムに着目し、神経変性疾患における糖脂質代謝、輸送機構へ影響に加え、糖脂質組成の変化による細胞膜タンパク質への動態変化に注目し解析を行っている。近年は特に、筋委縮性側索硬化症(ALS)の発症機構の解明に向け、近年新たにリスク因子として同定された未知糖転移酵素、Glycosyltransferase 8 domain containing 1(GLT8D1)に注目し、酵素機能の同定および神経細胞に及ぼす影響の解明目指している。
張 秉元Bingyuan ZHANG
数理解析部門
- 専門
- 統計科学、機械学習、生命情報学
- 研究内容
- シーケンシングや質量分析技術などの革新的技術から得られる大量のデータは、新たな挑戦と機会を与えてくれる。私たちは、最先端の統計モデリング技術や機械学習技術に基づいた解析ツールを開発し、大規模データから未知の生命システムのメカニズムを解明・理解することを目的とした融合研究を行っている。
研究部門一覧
Research Division
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