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木塚教授らのグループの研究成果が“ The Journal of Biological Chemistry”に掲載されました

炎症やCOPDなどに関わる糖鎖の新たな制御機構

〜糖鎖合成酵素FUT8の分泌の仕組みを解明〜

 

 岐阜大学糖鎖生命コア研究所の木塚 康彦教授、連合農学研究科博士課程修了生の富田 晟太さん(現:名古屋市立大学薬学研究科特任助教)らの研究グループは、名古屋大学のRebeca Kawahara特任准教授らとの共同研究で、炎症や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関わる糖鎖を作る酵素FUT8の新たな制御の仕組みを解明しました。
 タンパク質に付く糖鎖1)には膨大な種類が存在し、これら糖鎖は様々な生命現象や疾患において重要な役割を担っています。これら糖鎖は、細胞の中で様々な糖転移酵素2)(糖鎖合成酵素)の働きによって作られます。これまで、約180種類のヒトの糖転移酵素はほとんど全てが同定されましたが、これら酵素の働きが細胞内で調節される仕組みや、個々のタンパク質に付く糖鎖の形がどのように決まるのかは、まだあまりわかっていません。
 本研究では、炎症、COPD3)、がんなどに関わる糖鎖(コアフコース)を作る酵素、FUT84)に着目し、その活性が細胞内で調節される仕組みを調べました。その結果、本来細胞内に存在するFUT8の一部は、SPP、SPPL3という2つのプロテアーゼ5)により切断されて細胞外へ分泌されることがわかりました。またこの切断によって、FUT8がコアフコースを付けるタンパク質の種類が変化することも明らかになりました。これらの成果は、体内で複雑な糖鎖が作られる仕組みの解明と、FUT8が関わる様々な疾患の病態解明へつながることが期待されます。
 本研究成果は、現地時間2026年1月28日にThe Journal of Biological Chemistry誌のオンライン版で発表されました。

本研究の概要図
本研究の概要図

本研究のポイント

  • FUT8は、タンパク質に付いた糖鎖の根元にコアフコースと呼ばれる構造を作る酵素で、炎症、COPD、がんなどに関わっています。
  • FUT8の一部は、SPPおよびSPPL3という二つのプロテアーゼにより切断されることで、細胞外へ分泌されることがわかりました。
  • FUT8がSPPやSPPL3により切断されると、FUT8がコアフコースを付けるタンパク質の種類が変化することがわかりました。

詳しい研究内容について

炎症やCOPDなどに関わる糖鎖の新たな制御機構
~ 糖鎖合成酵素FUT8の分泌の仕組みを解明 ~

論文情報

  • 雑誌名:The Journal of Biological Chemistry
  • 論文名:Signal peptide peptidase (SPP)- and SPP-like 3 (SPPL3)-dependent shedding of α1,6-fucosyltransferase (FUT8) differentially affects core fucosylation
  • 著 者:Seita Tomida, Rebeca Kawahara, Kristina M. Bienes, Yuko Tokoro, Takahiro Yamasaki, Yasuhiko Kizuka* (*責任著者)
  • DOI:10.1016/j.jbc.2026.111209

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