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木塚教授らのグループの研究成果が“ The Journal of Biological Chemistry”に掲載されました

糖鎖合成酵素B4GALNT3のレクチンドメインを発見

~LDN糖鎖合成の新しい調節の仕組み~

 岐阜大学糖鎖生命コア研究所の木塚 康彦教授、所 裕子研究支援員らの研究グループは、産業技術総合研究所、ミシシッピ大学、千葉大学との共同研究で、骨の形成やホルモンの血中濃度調節などに関わる糖鎖を作る酵素B4GALNT3の新たな反応調節の仕組みを解明しました。
 タンパク質に付く糖鎖1)には膨大な種類が存在し、これら糖鎖は様々な生命現象や疾患において重要な役割を担っています。これら糖鎖は、細胞の中で様々な糖転移酵素2)(糖鎖合成酵素)の働きによって作られます。これまで、約180種類のヒトの糖転移酵素はほとんど全てが同定されましたが、これら酵素の働きが細胞内で調節される仕組みや、個々のタンパク質に付く糖鎖の形がどのように決まるのかは、まだあまりわかっていません。
 本研究では、ホルモンなどの血中安定性の調節に関わる糖鎖LDN3)を作る酵素、B4GALNT34)に着目し、この酵素が、他の糖転移酵素にはあまり見られない、糖鎖と結合する領域(レクチン5))を持つことを発見しました。さらに、このレクチンは、硫酸化された糖鎖と結合することや、B4GALNT3がタンパク質にLDN糖鎖を作るのに不可欠であることを明らかにしました。これらのことから、B4GALNT3は周囲の糖鎖を認識することで活性を調節する酵素であることがわかりました。本研究成果は、タンパク質の上に複雑な糖鎖が作られる仕組みの解明に重要な知見を与えるとともに、骨の形成やホルモン濃度調節の仕組みの理解にも役立つことが期待されます。
 本研究成果は、現地時間2026年2月26日にThe Journal of Biological Chemistry誌のオンライン版で発表されました。
 なお、本研究は、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業「ヒューマングライコームプロジェクト」による支援を受けています。

本研究の概要図
本研究の概要図
糖鎖を合成する酵素の一つB4GALNT3は、特定の糖鎖と結合するレクチン領域を持つことがわかった。このレクチンは、B4GALNT3がタンパク質の上の糖鎖を合成するのに必要であり、硫酸化された糖鎖と結合する。レクチンが硫酸化糖鎖と結合すると、B4GALNT3の働きが抑えられる。

本研究のポイント

  • B4GALNT3は、タンパク質に付いた糖鎖の末端にLDNと呼ばれる構造を作る酵素で、血中のタンパク質濃度の調節や骨の形成に関わっています。
  • B4GALNT3は、糖鎖を作る領域の他に、特定の糖鎖と結合する領域(レクチン)を持つことがわかりました。
  • レクチン機能のないB4GALNT3は、タンパク質の上の糖鎖に作用できなくなることから、B4GALNT3の働きはレクチンにより調節されていることがわかりました。

詳しい研究内容について

糖鎖合成酵素B4GALNT3のレクチンドメインを発見
~ LDN糖鎖合成の新しい調節の仕組み ~

論文情報

  • 雑誌名:The Journal of Biological Chemistry
  • 論文名:PA14 domain of glycosyltransferase B4GALNT3 is a lectin that binds to sulfated glycan ligands
  • 著 者:Yuko Tokoro, Takahiro Yamasaki, Hiroaki Tateno, Yuji O. Kamatari, Bakhtyar Sepehri, Tomohiro Sensui, Hiroto Kawashima, Robert J. Doerksen, Yasuhiko Kizuka* (*責任著者)
  • DOI:10.1016/j.jbc.2026.111328

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