糖鎖づくりの「弱点候補」を見つける解析手法を開発
~組織ごとの糖鎖のつくりやすさを読み、実験の優先づけに活用~
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名古屋大学糖鎖生命コア研究所・大学院医学系研究科の松井 佑介 准教授は、遺伝子の働きを示すデータから、組織ごとの糖鎖のつくられやすさを推定し、実験で優先的に調べる工程候補を絞り込む新たな解析手法「糖鎖生合成到達度(glycan reachability)解析」注2)を開発しました。
本手法は糖鎖の実際の量を言い当てるものではありません。高価な質量分析や細胞実験の前に、どの組織・経路・工程を優先して直接測定するかを決めるための羅針盤です。がん、神経変性、炎症、感染症、バイオ医薬品の糖鎖品質などで、検証可能な仮説づくりへの応用が期待されます。
本研究成果は、2026年9月25日午前3時(日本時間)付で国際学術誌「PLOS Computational Biology」に掲載・公開されました。
◆詳細(プレスリリース本文)はこちら
【ポイント】
・糖鎖注1)をつくるために必要な酵素や材料の状況を数値化し、糖鎖のつくられやすさと、その妨げとなっている可能性のある工程候補を推定する解析法を開発した。
・54組織、17,382検体の解析により、従来の「つくれる/つくれない」の判定だけでは分からなかった組織ごとの差を可視化した。
・本手法は糖鎖量そのものを予測するものではなく、次に直接測定すべき組織や遺伝子を選ぶための指標として利用できる。ただし、単純な計算法より優れることは示されていない。
用語説明】
注1)糖鎖(とうさ):
ブドウ糖などの単糖が複数つながった分子。タンパク質や脂質に結合し、細胞認識、免疫、感染、シグナル伝達などに関わる。
注2)糖鎖生合成到達度(glycan reachability):
糖鎖合成に必要な各工程の遺伝子発現を統合し、データ集内での相対的な糖鎖のつくりやすさの目安を示す指標。実際の糖鎖量ではない。
【論文情報】
掲載誌:PLOS Computational Biology
論文タイトル:Glycan Reachability Analysis: A Bottleneck-Aware Framework for Inferring Tissue-Specific Glycan Biosynthetic Potential from Transcriptomics
著者:Yusuke Matsui(松井 佑介;名古屋大学 糖鎖生命コア研究所/大学院医学系研究科)
プレプリント:bioRxiv DOI:10.64898/2026.03.24.714093
DOI:10.1371/journal.pcbi.1014655
URL:https://doi.org/10.1371/journal.pcbi.1014655





