新規修飾siRNAによるオフターゲット効果の抑制 ~遺伝性疾患治療に副作用の少ないsiRNA医薬を開発~
名古屋大学大学院理学研究科の阿部 洋 教授 (糖鎖生命コア研究所 統合生命医科学糖鎖研究センター分子生理・動態部門 教授)、野村 浩平 博士後期課程学生らの研究グループは、東京大学大学院新領域創成科学研究科の安 成鎮 博士後期課程学生、 東京大学大学院理学系研究科・新領域創成科学研究科(兼担)の程 久美子 准教授(研究当時、現:特任研究員)との共同研究で、新しい分子構造である2’-ホルムアミド修飾核酸を考案し、副作用のないsiRNA医薬を開発しました。
siRNAは、深刻な遺伝性疾患であるATTRアミロイドーシスや高コレステロール血症などに対する治療に用いられています。しかし、望まないところへ作用して副作用を起こすこと(オフターゲット効果)が懸念されています。本研究では、新たに開発した2'-ホルムアミド修飾核酸をsiRNAに導入することで、オフターゲット効果を抑制することに成功しました。
この成果は、さまざまな疾患に対するsiRNA医薬に適用することができ、副作用の少ない安心安全な国産siRNA医薬品としての利用が期待されます。
本研究成果は、2024年9月5日午前9時01分(日本時間)付オックスフォード大学出版局が発行する雑誌『Nucleic Acids Research』に掲載されます。
【詳細】
新規修飾siRNAによるオフターゲット効果の抑制 ~遺伝性疾患治療に副作用の少ないsiRNA医薬を開発~ - 名古屋大学研究成果情報 (nagoya-u.ac.jp)